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デザイン シンキング(デザイン思考) ビジネス活用術

デザイン思考(デザインシンキング)をビジネスに活用しよう!
今までのおさらいとして、「デザイン思考(デザインシンキング)」とは、企業の提供する製品やサービスと、人々の要求(求める新しい価値)を一致させるために、デザイナーの感覚と手法(まとめてクリエイティビティ)を活用することとなります。
つまり、人々の要求をデザイナーの感性と手法を用いて解決案を提供することです。
だからといって、優秀なデザイナーを集めて「問題を解決してくれ」とお願いしてもなにも解決しません。
まず、企業や人などクライアントの本当の要求や課題を探る必要があります。
「空・雨・傘」で考えよう!
アメリカのコンサルティング会社のマッキンゼーで呪文のように使われている「空→雨→傘」のフレームワークを使うことが効果的です。
「空 → 雨 → 傘」とは「事実」「解釈」「行動(解決案)」に事象を分類分けすることができます。
空に黒い雲が広がってきた(事実)→ 雨が降ってきそうだ(解釈)→ だから傘をもって出かけよう(行動)という意味です。
ひとつの例として、とある雪がたくさん降る町の交差点で車同士の事故が頻繁に起こってしまっていたとします。その町の役所の人は、その交差点へ続く道が長い直線でスピードを出しすぎて交差点手前で止まりきれず、事故が起きてしまっていると考え、ある会社に雪道でもすぐに停車できるタイヤを開発してくれと依頼しました。
「空 → 雨 → 傘」のフレームワークに当てはめると、
空:交差点で事故が多発している。(事実)
雨:ブレーキをかけても雪でスリップしてしまい止まることができない(解釈)
傘:だから雪でも滑らないタイヤを開発しよう(解決策)
となります。
このように依頼された会社は、スリップしないタイヤを開発し納品することで問題を解決できるでしょう。
しかし、これだけでは真の問題を解決したことになりません。
もっと詳しく事故が起こってしまう原因(解釈)を掘り下げる必要があります。
例えば
空:交差点で事故が多発している。(事実)
雨:交差点にさしかかるドライバーがブレーキを踏むのが遅いのではないか?
→ 交差点の信号が遠くから見えにくいのかもしれない。
→ 雪が信号にのってしまっていて近づくまで見えない。
傘:だから信号を縦に置くことで雪で隠れないようにし、早めに信号を認識できるようにする(解決策)
このように分析を進めると同じ問題でも違う解決案が出てくると思います。
真の問題を抽出できたら、次はたくさんのアイデアを出します。
よく使われる手法が、ブレーンストーミング(ブレスト)です。
ブレストの一般的なルールとして、
・質より量を重視する
・アイデアを批判しない
が挙げられます。
その中から、実際に解決策として提案できるアイデアをピックアップし、検討を重ねテストを行います。
テストの結果をさらに分析して、本当に真の問題を解決できているのかを判断するプロセスが必要です。
最後に、クライアントの要求に合う形にアイデアをモデル化させます。
このように、
真の問題を設定する → アイデアを創造・選択する → プロトタイプを制作→テストする → デモを作成する
というプロセスを、ひとつずつ、丁寧に、根気よく行うことで、デザインシンキング(デザイン思考)をビジネスに活用することができるのです。
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