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「人生のヒントを得る、ブルーノ・ムナーリの創作活動とは?」

「役に立たない機械」という芸術を生み出した、ブルーノ・ムナーリをご存知でしょうか。

彼は世の中に、近代的な芸術作品を多く輩出してきた芸術家です。今日の、現代社会の中で生きる私たちはもうこの資本主義社会に限界を感じつつあります。

今回はブルーノ・ムナーリより、芸術の視点から生きるヒントを得ましょう。

 

・ブルーノ・ムナーリとは?

彼は1900年代初期に、イタリアミラノに生まれました。

建築関係の出身でないにも関わらず興味深いプロダクツを多く輩出しています。それだけに留まらず、他にもグラフィックや絵本に文筆など、多彩にその才能を開花し続けたようです。

芸術の面では、他にもジャーナリストとしての経験もあるようで、そこでの経験も芸術の糧になっているのでしょう。 今日の日本ではデザインという言葉は商業的な意味合いで使われることが多くなりました。けれども、ブルーノ・ムナーリはデザインは芸術であるという言葉を残しています。 ブルーノ・ムナーリはその半生の中で数多く芸術に関する賞を受けており、またその布教活動にも大きく貢献していました。

代表的な作品としては「役に立たない機械」や「文字のない絵本」、そしてモビールなど。また小ザルのジジのオブジェなどがあります。これらの作品を通して、芸術教育というものを確立していきます。

思えば第一次世界大戦、第二次世界大戦の渦中にいたはずのイタリアで、ここまで創作活動をしてきたこと自体が素晴らしいことだと思いますし、同時に今日のデザインの原点を作った人とも言えそうです。  

 

・何を学ぶ?

さて、このブルーノ・ムナーリで何を学ぶか。

現代社会の中でデザインという言葉は枕詞のように使われていることが多いようです。

ユニバーサル・デザイン、バリアフリー・デザイン、インテリア・デザイン、コミュニケーション・デザイン。もはや便利な言葉です。

資本主義も大部分が飽和しきっていて頭打ちになっている分野が多いようです。物事の全てにおいて効率化、利益追求という言葉が蔓延してきました。仕事で要領が悪ければ叱られる、手術で不器用な奴は排他される。

デザインの原点は芸術であり、芸術とは創造することです。

マニュアル通りの生き方ではなかなか見えてこないものもあるでしょう。資本主義の中で上手く流れに乗れない人は振り落とされてしまいます。けれども、別の部分で才能が開花する可能性も捨てられないのです。

「無駄や偶然を受け入れる大切さ」

かの有名な山中伸也教授はオペ室では「じゃま中」とあだ名がついていましたが、今ではiPS細胞を見つけノーベル賞を受賞しています。

寄り道をすること、他の可能性を創造することがポイントなのです。

 

 

・日常からヒントを得て、日常の中で昇華させる

日頃忙しなく生きていく中で、ゆったりとした時間を過ごせる人は少ないでしょう。

起床、支度、通勤、会社、帰宅、食事、就寝…このサイクルをループしている人も多いでしょうね。 もう味気なく感じている人も多いのではないでしょうか。

そう感じ始めたら、無駄と思える、人生の寄り道をしてみて下さい。ブルーノ・ムナーリの作品はそういったところから作られています。彼は寄り道のプロなのです。糸で吊されたモビールを、誰が赤ちゃん用の玩具として商品化しようと始めたでしょうか。文字のない、色と形だけの絵本を誰が美術品と評価したでしょうか。

自分の感じるままに人生の寄り道をする。そこから芸術品が生まれ、デザインの原点が生まれます。

そうして生まれたものは他人がさらに価値を見出していくことで資本社会の中でも生き続けられるのでしょう。

 

・焦らない、結果にこだわらない

現代人の多くが数字にとらわれていますね。 限られたお金と時間をどう効率良く使おうか。そのことばかりに躍起になっていませんか。

ブルーノ・ムナーリの作品はどこかそういったものがないのです。

人生を感じるままに表現して、感じるままに寄り道をした結果だと思います。

何か新しいことをしたい、創造したいと感じるのであれば無駄を受け入れて感じるままに表現することをお勧めします。

 

ムナーリの機械
ブルーノ・ムナーリ (著), 中山 エツコ (翻訳)

 

 

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