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デザイン マネジメントを形どる「デザイン思考」

「デザイン思考(デザインシンキング)」の3つの基本能力
さて、デザイン マネジメントに密接に関係がある「デザイン思考(デザインシンキング)」について深く考えていきましょう。
「デザイン思考(デザインシンキング)」の基本となる能力は才能ではありません。
「洞察」「観察」「共感」が基本となる3つの能力です。
「洞察」+「観察」+「共感」= デザイン思考(デザインシンキング)の能力
「洞察」
まずは「洞察」についてです。
「洞察力」は「デザイン思考(デザインシンキング)」においてなくてはならない能力であり、「洞察力」がないとただの分析になってしまいます。
「デザイン思考(デザインシンキング)」の中では、「洞察」とは人々が普段意識していない日常的な行動を見つけるために必要な能力です。
例えば、車を運転している人を「洞察」してみましょう。
日常的に車を運転する人がスマートフォンでpodcastを聞いていました。
その人は、運転席の上部についている日よけカバーの間にスマートフォンを挟み、スマートフォンのスピーカーから直接podcastを聞いていました。
この何気ない行動を発見することが「洞察」です。
「観察」
次に「観察」についてです。
「観察」とは、洞察で得た普段意識していない日常的な行動が何を意味しているのかを探ることです。
先ほどの車の例を進めてみましょう。
スマートフォンを車のスピーカーにつなぐ変換ジャックは売られています。
値段を見ると2,000円から高い物でも15,000円くらいで売っています。
しかし、問題なのは車種によっては使えない変換ジャックがあることです。
今回例にあげた方は、毎度決まった車を運転するのではなく、会社で用意されている車の中から空いている車を使っていました。
なので変換ジャックを購入しても使えるとは限らないので、購入しないという選択をしていると考えられます。
もちろん車を運転中にイヤホンを着けてpodcastを聞くことは、とても危険な行為なので考慮の対象からは外します。
「共感」
さて、「観察」によってスマートフォンから直接podcastを聞く理由がわかりました。
残りは、なぜスマートフォンを日よけカバーに挟んでいるのでしょうか。
この理由を知るためには「デザイン思考(デザインシンキング)」の基本的な3つめ能力、「共感」が必要となります。
簡単にいうと実際にその他人の身になって考えてみることです。
今回は、同じことをやってみればわかります。
まず、スマートフォンを助席においてpodcastを流してみました。
そうすると、車の走行音で聴きにくいということがわかりました。
運転席のドアのポケットに入れてみても、同様に車の走行音で聴き取りづらいのです。
そこで、例で挙げた人のように日よけカバーに挟んでpodcastを聴いてみると、1番良く聴くことができました。
他人の身になって考えることで、その人の普段意識していない日常的な行動の原因を探ることができました。
これが「デザイン思考(デザインシンキング)」の基本的な3つの能力を用いた思考の型の一例です。
この結果から、もし商品を開発するのであれば、どの車にもついているであろうドリンクフォルダーの規格に合う、円柱型の持ち運べるスピーカーを開発してみたり、スマートフォンの音の最大出力を上げるアプリを開発したりすることも可能です。
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